ホテルの料飲部門は、原価が読みにくく利益が残りにくい構造にあります。バイキングは「並べた量が原価」であり、食べられた量が原価ではないためです。この前提を踏まえないまま管理しようとすると、現場は疲弊し、数字は改善しません。
ホテル料飲部門が抱えやすい課題
- 稼働率が読めず、仕込み量が過剰または不足になる
- 品数を増やすことが満足度向上だと考えられている
- 廃棄量を数字で把握できていない
- 館ごとに仕入れがバラバラで、規模を交渉に活かせていない
- 厨房の人手不足で、オペレーションが限界に近い
支援の内容
1. バイキングの原価設計
品数と提供量の適正化を行います。品数を減らし、浮いた原価を「記憶に残る1品」に集中させる。全体を薄く広げるより、満足度と原価が同時に良くなるケースが多くあります。
2. 廃棄・ロスの可視化
料理ごとの残量を記録し、どの料理がどの曜日にどれだけ余っているかを把握します。精緻なシステムは不要です。1〜2ヶ月の記録で、慢性的に余っている料理は必ず見えてきます。
3. 全館の仕入れ集約
使用量の大きい主要食材を洗い出し、規格を統一して集中購買に切り替えます。全食材で行う必要はありません。上位品目だけでも効果は十分に出ます。
4. 厨房オペレーションの見直し
仕込み工程の整理、提供時間帯ごとの補充ルール、スタッフ教育。人手が限られるなかで回る体制に落とし込みます。
ローカル食材との両立集中購買を進めると「地元の食材が使えなくなるのでは」という懸念が出ます。実務では、汎用食材を集中購買でコストを抑え、その余力を土地ならではの食材に振り向ける組み合わせが現実的です。コストと独自性はトレードオフではありません。
ホテル領域での実務経験
FRLの代表は、ホテルチェーンにおいて全館の食材仕入れ責任者を務め、年間仕入額の3%以上のコスト削減を7年連続で達成しています。同時にバイキングメニューの開発・原価管理も担当しており、調達と商品開発の両面から料飲部門を見られる点が特徴です。
また、ホテルチェーンのM&A後のPMIリーダーとして商品・購買部門の統合を主導した経験もあり、複数施設を運営する企業の統合・標準化にも対応できます。